)で明らかになった。
2024年11月20日(日本時間11月21日)にリリースされた「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」は,ウクライナのキーウに約30年前に創設されたGSC Game Worldにとって,非常に難産だったプロジェクトとして知られている。
2009年末に「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」が公開された直後に開発が始められていたものの,資金難により200人いたスタッフは50人までに一気にリストラされたのを皮切りに,開発は何度も頓挫してきた。
2018年には,Unreal Engine 4を利用してプロジェクトが再始動したことが公表されたが詳細は明らかにされず,ようやく2021年6月のE3 2021に合わせて行われたXboxメディアブリーフィングで最新トレイラーを公開。さらに同年8月にはUnreal Engine 5へ乗り換えることが発表される。
クリッパ氏は元々,ウクライナを拠点とする名門eスポーツチームNAVIのオーナーとしても知られていた投資家で,2020年1月になってGSC Game Worldの個人買収提案が受け入れられた。その後のMicrosoftとの交渉やUnreal Engine 5向けの開発資金の投資を行うことによって,GSC Game Worldを軌道に乗せた人物であると言える。
2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始したことで,再びプロジェクトは滞ることになったが,クリッパ氏はウクライナ軍を全面的に協力する一方,GSC Game Worldのヘッドクォーターをチェコのプラハに移し,最終的に470人のスタッフを雇用して「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」のリリースまで漕ぎ着けた。
インタビューでは,「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」のプロジェクト再建にどれほど投資したのかは明らかにされていないものの,リリース直後の48時間で100万本を達成していることが知られている。おそらく,クリッパ氏の話す利益確保は,2020年の買収時の資金と,その後の開発への投資を合わせた金額がすでに回収されたということを示しているのだろう。
もちろん,Microsoftからの独占販売権の収益がバックボーンになっているのは間違いないが,Game Passユーザーであれば無料でリリース初日から楽しめたことを考えると,売上の大半はPC版とも考えられ,その後も評判を聞きつけたPCユーザーの間で実績を伸ばしている模様だ。
「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」は,ゲームバランスの点に改善の余地があることは多くのゲーマーからも指摘されているが,12月19日には最新アップデートとなる「Patch 1.1」(直後に Patch 1.1.1を公開)をリリース。一気に1800種ものバグや不具合を修正し,生物シミュレーション「A-Life」も改良が施されて,敵のスポーン地点やAIなどが強化されていることは,Steamストアページのニュース(リンク。英語)に詳しい。
今後も細かい修正を続けながら,マルチプレイモードやニューゲーム+の追加などが予定されており,さらなる成長に期待できそうだ。
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