「プラズマ乳酸菌」を使ったワクチン開発研究が国の公募事業に選ばれた

キリンホールディングス(HD)は8日、機能性素材「プラズマ乳酸菌」を使ったワクチンの研究開発が国の公募事業に選ばれたと発表した。国立感染症研究所との共同研究では、プラズマ乳酸菌に新型コロナウイルスの増殖を抑える働きがあることを確認したという。自然免疫の機能を高めるプラズマ乳酸菌の特徴を生かし、ワクチン開発を目指す。

キリンHDと感染研の共同研究が国のワクチン開発の司令塔である先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の公募事業に選ばれた。ワクチンは鼻から投与し、呼吸器ウイルス感染を予防する効果が期待される。助成期間は2026年1月まで。助成額は公表していない。

プラズマ乳酸菌はキリンHDの独自素材だ。免疫の司令塔にあたる「プラズマサイトイド樹状細胞」に作用し、免疫細胞全体を活性化する機能があるとされる。機能性表示食品の原料として飲料やサプリメントに使われており、他社にも提供している。

従来型のワクチンは病原体の一部分を体内に入れることで特定の病原体に反応する「獲得免疫」をつくる。プラズマ乳酸菌は体内に侵入した病原体に対して素早く反応する一般的な「自然免疫」を活用するという。キリンHDは「新型コロナやインフルエンザなど幅広いウイルスへの効果が期待できる」としている。

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