JALと三菱重工の説明会の様子(8日、東京都品川区)

日本航空(JAL)と三菱重工業は8日、飛行機が雷を避けやすくする技術を開発したと発表した。人工知能(AI)が気象データから雷に当たりやすい場所を予測し、パイロットに知らせる。被雷を半減させ、運航スケジュールの安定やコスト削減につなげる。

針路上の雷雲を回避しやすくするサービス「Lilac」を開発し、羽田空港や伊丹空港など主要空港に導入した。気象庁が配信するデータをAIが分析し、パイロットが一目で分かるように図形やメッセージで知らせる。冬場に雷の発生が多い日本海側の空港でも導入する予定だ。

夏場の積乱雲で起きる雷はレーダーにも大きく映るためパイロットが気づいて回避しやすい。一方で冬や春の乱層雲は帯電しているかどうかがレーダーでも捉えにくく、飛行機が近づいた時に雷に打たれるケースがあった。

国内では航空機の被雷が年間数百件起きているという。JALでは2023年度に93便で発生し、飛行機の修理や検査のため38便の欠航につながった。

雷に打たれる確率は決して多くはないが、運航スケジュールの乱れや、乗客を他便に振り替える費用や整備費などが航空会社の重荷になっていた。8日の説明会でJALのオペレーション安全・品質推進部の本間史也アシスタントマネジャーは「この技術で被雷確率を半分以下にしたい」と述べた。

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