江崎グリコは8日、2024年12月期の連結純利益が前期比22%減の110億円になりそうだと発表した。従来予想は6%増の150億円としていた。40億円下方修正し、増益予想から一転、減益となる。国内の物流センターで発生したシステム障害により冷蔵品の出荷が止まっており、販売減の影響を織り込んだ。6月中の出荷再開をめざすとしている。

売上高は従来予想を150億円下回り、前期比1%増の3360億円を見込む。国内で冷蔵品の出荷停止の影響が出るが、中国などでチョコスナック菓子「ポッキー」の販売増で増収を確保する。前期比10円増の90円にするとしていた24年12月期の年間配当予想は据え置いた。

グリコはシステム障害による業績への影響額も開示した。通期の営業利益を60億円、売上高を200億円下押しすると試算する。海外での菓子の販売増が補い、通期予想の修正額はそれより小幅となる。

24年1〜3月期の連結純利益は前年同期比21%増の51億円、売上高は11%増の789億円だった。冷蔵品の出荷が止まる前の四半期で、増収増益を確保した。アイスクリームの「セブンティーンアイス」やポッキーの販売が好調だった。

システム障害はグリコが4月3日、調達や出荷、会計などを一元管理する統合基幹業務システム(ERP)を全社的に切り替えた直後に発生した。倉庫内の実際の在庫数とシステム上の在庫数が一致せず、4月中旬から洋生菓子「プッチンプリン」や「カフェオーレ」など17ブランドの出荷業務が止まっている状況だ。

グリコは5月1日、当初5月中旬としていた出荷再開の見通しを延期した。6月中の再開を目指している。

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