大分空港(大分県国東市)と大分市を約30分で結ぶホーバークラフトを運航する大分第一ホーバードライブ(大分市)は25日、目標とした空港航路の年内開始を断念すると発表した。11月末から始まった別府湾周遊事業で欠航が多くなり、十分な経験を積めなかったことなどが理由。2025年中の早期開始を目指す。
ホーバーは当初24年3月末までの運航開始を予定したが、訓練中の事故の影響で先送りした。現時点で空港航路は九州運輸局の安全確認検査を受けておらず、記者会見した同社の小田典史社長は「25年のなるべく早い時期に検査を受けて合格してから運航を始めたい」と話した。
同社は先行した周遊で経験を積んで安全性を高めてから空港航路を始める計画だったが、周遊は予定した32便(8日間)のうち、気候条件の悪さから半分の16便(4日間)しか運航できなかった。
同社が独自に設定する運航の安全基準は①風速10メートル以下②波高1.5メートル以下③視程1000メートル以下。どれか1つでも基準を満たさなければ欠航する。小田社長は「想定以上に欠航が多かった。気象条件の読みが甘かった」と釈明した。
また、周遊では高齢者や車椅子の利用者数が予想以上に多く、空港航路で利用する大分空港側のターミナルでスムーズな乗降のための訓練が不足していると判断した。
大分空港と大分市の間にはかつてホーバーの定期航路が存在していたが、利用者数の低迷で09年廃止になった。高速バスで約1時間かかる空港へのアクセスを改善するため、大分県が20年に「上下分離方式」による復活を表明。船体取得やターミナル整備などの費用を県が負担し、ホーバーの運航は民間事業者が担うことになった。
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