24年3〜11月期のインバウンド売上高が前期通期を超えた(東京都中央区の高島屋日本橋店)

高島屋が24日発表した2024年3〜11月期の連結決算は、純利益が前年同期比8%増の260億円だった。同期間の過去最高益を3年連続で更新した。円の上昇が一服し、インバウンド(訪日外国人)を中心に高額品の販売が好調だった。

店頭の売上高を示す国内百貨店の総額営業収益は6284億円と11%増えた。免税売上高は89%増の871億円で、過去最高だった24年2月期通期(687億円)を上回った。単月で最も多かった5月の126億円から、一時的な円高などで9月に68億円まで減少したものの、11月は91億円まで回復した。

中国客がけん引し、免税売上高に占める割合は58%の509億円と、前期通期(48%、331億円)に比べ大幅に高くなった。

商品別でみると高級ブランドや腕時計、宝飾品などの「高額品」が26%増えた。訪日客のほか、外商客による高額消費が好調だった。「ファッション」は9%増だった。気温の高い日が続いた10月は秋物の販売が振るわなかったが、取引先と連携し値引きをしない正価販売を増やしたことが奏功した。顧客層の裾野が広い「食料品」は、物価高による節約志向の影響で1%増と伸び悩んだ。

海外百貨店は苦戦した。売上高にあたる営業収益は252億円と4%の伸びにとどまった。シンガポール高島屋は円安の影響で増収だったものの、上海高島屋は中国景気の減速で18%の減収だった。

営業利益は25%増の415億円と2年連続で最高だった。販売管理費は賃上げで人件費や広告宣伝費が増えたものの、業務効率化で吸収した。国内百貨店の総額営業収益に占める販管費比率は19.6%と1.2ポイント改善した。

25年2月期通期の業績見通しは据え置いた。営業収益は前期比6%増の4950億円、純利益は20%増の380億円を見込む。国内百貨店の免税売上高は67%増の1150億円を目指す。

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