国際物流を手掛けるジェットエイト(東京・中央)は、開発中の医薬品の原料に使われる危険物などを厳格な温度管理で保管できる施設を新潟県柏崎市で竣工した。国内では医薬の研究機関や保管施設が首都圏や太平洋側に集中している。南海トラフ地震などに備えた事業継続計画(BCP)の観点から、創薬企業や医療機関から日本海側でも保管を望む意向は高いと見込む。
市内の高台にある産業団地に、4億6000万円をかけて「信越クライオファーマアーカイブセンター」を建設した。2025年2月から稼働する。
センターは2棟合わせて広さが約350平方メートルあり、セ氏25度からマイナス196度の超低温まで5種類の温度帯で保管する。医療関連品保管の世界基準に準拠しているほか、危険物保管の許認可を取得した。細やかな温度管理ができる危険物対応の施設は国内では珍しいという。災害で停電した場合、7日間は冷凍・冷蔵を続けられる非常用発電機も備えた。
24時間体制で温度管理をするため電力消費が大きくなり、電気代は1カ月60万〜70万円程度かかる見込みだ。ただ、原発立地自治体である柏崎市では一定の要件を満たした市内の事業者に、国から給付金が支払われる。8年間は電気料金の負担額を半額程度に抑えることができる。こうした優位性も、同市への立地を後押しした。
桜井雅浩市長は19日の竣工式で「エネルギー価格が高止まりするなか、電源立地地域の優位性を発信するセンターとしての役割も期待している」と述べた。
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