SCREENホールディングス(HD)とサイフューズは19日、バイオ3Dプリンターで作った臓器などを破壊することなく品質評価できる新技術を開発したと発表した。3Dスキャナーを使うことで短時間で分析する。従来は作製した組織などを出荷前に切断して抽出検査していたという。
サイフューズは創薬向けにヒト細胞から培養した大きさ1ミリメートルほどのミニ肝臓を販売している。SCREENHDの光学技術を活用し、ミニ肝臓に近赤外線ビームを当てることで内部構造を撮像する。スキャンデータはAIによって製品の安全性が評価される。30分ほどで全数検査できるという。従来は検査に数日から1週間ほどかけていた。
生きている細胞は安定した品質での出荷が難しい。サイフューズの三條真弘最高財務責任者(CFO)は評価システムを確立することで「3D細胞製品が一般の工業製品のように出荷できる可能性が広がる」と話している。
サイフューズは2010年に設立した再生医療製品を手掛けるスタートアップ。ヒト細胞から立体的な組織や臓器を作るバイオ3Dプリンターを開発・販売している。両社は19年から検査技術の開発を進めてきた。
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