全国銀行協会の福留朗裕会長（三井住友銀行頭取）は19日の記者会見で、三菱UFJ銀行の元行員が支店の貸金庫で十数億円相当の顧客の資産を盗んだ問題を巡り陳謝した。「顧客の信頼を損なう事案が発生したのを大変申し訳なく思う」と述べた。
18日付で会員の銀行に貸金庫の管理体制の点検を求める通達を出したことにも言及した。貸金庫の内容物を確認するわけではなく、予備の鍵の管理状況など不正が生じるリスクがないかを調べるように促している。
福留氏は「（通達では）具体的な点検項目を列挙している。会員行の取り組みを後押ししていく」と強調した。三井住友銀はすでに貸金庫の調査に着手しており、現時点で不正は確認されていないという。
福留氏は「再発防止に向け隙のない仕組み作りをするとともに（不正を起こさない）カルチャーの変革も不断に進めていかなければならない」と話した。全国地方銀行協会と第二地方銀行協会も、それぞれ例会で会員行に管理ルールの再点検の徹底を要請した。貸金庫への顧客の不信感は高まっており、信頼の回復が急務になっている。
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