プリント基板の卸売りや液晶ディスプレーに使う印刷版などの製造を手がける黒田グループが17日、東京証券取引所スタンダード市場に上場した。2018年に上場廃止となっており、再上場となる。初値は公開価格(700円)を26%上回る885円で終値は875円だった。
細川浩一社長は東証で開いた記者会見で「今回の再上場は構造改革の通過点だ」と強調した。主なやりとりは以下の通り。
――上場初日の株価の受け止めは。
「もともと目指していたタイミングで上場できて感謝している。初値に関しては、自力でできることはほとんどないと考えている。今後も足元の状況や見通しをしっかりと説明する必要があるという緊張感を持っている」
――18年に投資ファンドによるTOB(株式公開買い付け)で非公開化しました。今回の再上場の狙いは。
「前回非公開化した時と今回の再上場とでは、黒田グループを頂点として全ての事業をフラットに見ることができる点で違う。早い段階から経営資源の配分に関する意思決定ができるうえ選択肢も広い。今回の再上場は構造改革の通過点だとみている」
――中長期的な製造事業のあり方は。
「例えば、液晶ディスプレーの印刷版は顧客の生産ラインに合わせて作っており、ハードディスクドライブ(HDD)用の部品はクリーンルームで管理する。こうした技術の蓄積がある。今後もそういった技術が生きる(専門性の高い)『ニッチ』な分野でものづくりを続ける」
「製造事業の分野においては、10年後を見据え次の柱となる事業として新規投資を着実に続けていく」
――株主還元の方針は。
「株主資本配当率(DOE)を採用し、目標水準は7%に設定する。基本的には累進配当を維持する」
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