NTTコミュニケーションズ(コム)は2日、魚などの陸上養殖を管理するシステムの販売を始めたと発表した。ICT(情報通信技術)を活用し、センサーで取得した水温や水質などを効率良く管理して養殖する。経験のない人でも養殖事業を始めやすくすることで参入を促し、地方での雇用の創出にもつなげる。
同日、新会社のNTTアクア(東京・港)を設立し事業を始めた。NTTコムは紅仁(沖縄県大宜味村)の細菌を使わないろ過技術とICTを掛け合わせて、共同でシステムを開発していた。同システムでは水温や塩分濃度などといった情報のほか、水槽や水中の映像をリアルタイムで確認できる。
適切な水温や水質は魚種ごとに異なる。養殖未経験者でも容易に維持・管理できるよう、養殖する魚種に応じてあらかじめ適正値に設定する。養殖する環境の異常を検知した場合に対応策などを助言する養殖コンサルティングも手掛ける。
NTTアクアは2030年までの累計で数百億円の売り上げを目指す。まずはハタ類2種を養殖できるシステムの提供から始め、対象の魚種を広げる。今後は種苗やエサの提供も予定する。NTTアクアの山本圭一社長は「陸上養殖市場を拡大し、食料自給率の向上にも貢献したい」と話す。
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