国土交通省は28日、紀伊半島を一周する近畿自動車道紀勢線の一部で、和歌山県南部のすさみ町と串本町をつなぐ国道42号「すさみ串本道路」(延長19.2キロメートル)について、開通時期が2025年春から大幅に遅れると発表した。難工事や追加工事などが理由で「遅延期間は現時点では2年以上になる可能性が高い」としている。

全線にわたって工事が進んでいる「すさみ串本道路」=国交省紀南河川国道事務所提供

開通が遅れるのは工事で硬い岩が多数出たり、地盤がひび割れしたりして、追加の工事などが必要となったためだ。資材高騰も加わり、全体事業費は約290億円増える予定。すさみ串本道路は海沿いの国道より高い位置にあり、開通前の段階でも災害時の緊急輸送道路や津波避難場所に活用できるようにする。

和歌山県の岸本周平知事は「地域の発展と半島防災の観点からも道路の早期完成は不可欠。国交省に対してコスト縮減への取り組みと、残る工事の工程管理を徹底し、一日も早い開通を改めて要請した」などとするコメントを出した。

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