ファナックは21日、欧州向けのワイヤ放電加工機の性能試験で不正があった問題で、社外の有識者で構成する特別調査委員会の調査報告書を受け取ったと発表した。試験に合格するために加工条件を恣意的に決めるなどの行為があったとの指摘を受け、再発防止のための対応を決めた。山口賢治社長ら経営陣3人が責任を取り、月額報酬を減額することも発表した。
山口社長と稲葉善治会長は2カ月間、月額報酬の30%を減額し、高次聡常務執行役員は2カ月間、20%減額する。
ファナックは4月に欧州向けのワイヤ放電加工機で、現地で定められている規格に準拠せずに性能試験をしていた可能性があることを発表し、特別調査委を設置していた。特別調査委は21日に提出した報告書で、ファナックが恣意的に加工条件を決めて性能試験をしていたことなど指摘した。ファナックは「信頼を損なう事態を招き深くおわびする。再発防止策の実行に取り組む」としている。
欧州向けのワイヤ放電加工機は4月に出荷を停止したが、部品を追加するなどの対策を講じ、第三者機関から欧州の規格に適合しているとの評価を受けたうえで、8月に出荷を再開した。
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