JR北海道は20日、函館線の森―石倉間を走行していた貨物列車が脱線した事故を受けて、全道1371踏切のうち約220カ所で再検証を行うと発表した。脱線が発生したと推定される踏切のレールで著しい腐食が見られたことを受け、直近検査データを踏まえてレールの状態を確認する。
1〜4年に1回実施しているレール探傷車による直近調査で、超音波探傷器での再検査が求められていた踏切を対象とする。これまでは傷の有無の確認を主目的に調査しており、事故原因とみられるレール腹部の腐食について確認するルールがなかった。超音波探傷器による再検査結果を改めて確認し、レールの腐食に関して再検証する。
現場での再検査などについては、JR系の鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)と協議し検討する。完了時期は未定だが「できるだけ速やかに行う」(JR北の綿貫泰之社長)。検査ルールの見直しについても鉄道総合技術研究所と検討を進める。
JR北は20日午前までに長万部―苫小牧間で、事故現場に類似した条件の11踏切12カ所について再検査し、安全を確認したという。
綿貫社長は20日の記者会見で「当社の理由による事故の可能性が極めて高いと認識している。多くの利用者や荷主、関係者に多大な迷惑をかけたことを深くおわびする」と述べた。経営陣の責任については「安全の取り組みを進めることが責務だと思っている」とした。
雪対策についてもあわせて発表した。約12億円を投じて大型除雪機や強馬力の機械を導入。札幌圏や千歳線隣接地域の除雪体制増強に充てる。札幌圏では、夜間の除雪作業時間確保のため計画運休を行う。千歳線や学園都市線で、1〜2月の土曜夜3本を対象とする。
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