おはよう日本で11月12日に放送 “推し活”

推し活

【NHKプラスで配信中】2024年11月19日(火) 午前7:45 まで↓↓↓

加熱する“推し活”

まずは街頭で “推し” がいるか聞いてみました。

「アイドルです。CANDY TUNEの小川奈々子ちゃん」

「バレーボールが好きなんです。水町泰杜っていう選手がいて、超かっこいいんですよ」

中にはこんな人も。

「1年間でライブがある期間は何回もライブに行くので、費用は何十万円かになります」

“推し活 ”専門の飲食店も登場!

こうした熱気をビジネスチャンスと捉え、“推し活”をする人々をターゲットとした飲食店も登場しています。

ことし2月にオープンしたこの店はSNSで話題となり、全国から人々が訪れているといいます。

人気の理由は、「自分たちだけの空間を作ることができるシステム」です。

店内にある13の部屋はすべて仕切られていて、ポイントは「壁に推しのグッズなどを磁石で貼りつけられるようになっている」こと。

自分好みに飾りつけをすることができます。

もう1つのポイントが「色を選べるシステム」です。

アイドルやアニメのキャラクターには、それぞれ「メンバーカラー」と呼ばれる色が決まっているものもあり、その色に合わせた皿や飲み物を注文することができます。

そして、リモコンで照明を操作することもできます。

「一般的な店だとやっぱり“周りになんか出している”とかなっちゃうから、こういう推し専門店があると、ここで思いっきり好きなように飾って、好きなことをしゃべって、楽しく過ごせるからいいなと思います」

“推し活”ビジネスに特化した会社も

さらに“推し活”ビジネスに特化した会社も生まれています。

会社を立ち上げたのは、3年前。

社員やスタッフのほとんどが“推し活”をしていることを強みに、“推し活”専用のグッズを販売しています。

メンバーは20代前半がほとんどです。

一番目を引いたのは、このお守り。

社員
「健康とか生存とか。“推し”がやはり生きていないと、応援もできないというところで」

さらに今、力を入れているのが「推し活事業のプロデュース」です。

“推し活”を事業に取り入れたいという企業から依頼を受け、企画のコンセプト決めやデザインの制作、プロモーションまで手がけています。

この日行われたのは、大阪にある高層ビルの展望施設の事業担当者との打ち合わせです。

展望施設では、“推し活”をする人々を呼び込みたいと、これまでにこの会社とタッグを組んだイベントを5回開催してきました。

打ち合わせでは、来年1月に展開する新たな“推し活”グッズについて、色や形など、具体的なアドバイスを行いました。

梅田スカイビル 空中庭園展望台 眞下浩二さん
「“推し活”事業のトレンドは本当に早くてですね、ことしお客様が“推し活”でやっていたものが、翌年には全く違うものに変わっています。私たちも学ばせていただいているのかなと思っています」

企業からの問い合わせは、前年比の3倍以上にのぼっていて、この会社では、“推し活”をする人々に寄り添った事業展開を心がけているといいます。

株式会社Oshicoco 曽根紗良さん
「企業のビジネスみたいなところが透けて見えてしまうと、“推し活”層の皆さんって自分たちの“推し”が消費されているということがうれしくないことではあるので(“推し活”をする人と)企業との溝みたいなことが起きないように、というのが意識してやっている部分ですね」

“推し活”は若い世代の“居場所”

広がりをみせる“推し活”ビジネス。

先月、日銀が公表した報告書では、『若者の推し活需要が旺盛で、グッズなどの販売が好調なもと客単価も上昇している』と言及。

とりわけ若い世代で“推し活”で使う1人当たりのお金が増えていると指摘しています。

“推し活”を取り上げた著書もある文芸評論家は、消費志向の変化や人とのつながりにも注目をしています。

文芸評論家 三宅香帆さん
「自分が『これをほしいから買う』とか、『すごく買いたいから買う』っていうのと違って、“推し活”って本当に『理想の自分を体現するために買う』とか、『応援したいから買う』っていうふうに、かなりアイデンティティにつながっているところがあるのが私は奥が深いなって思うんですよね。コロナ以降、ちょっと人と人との距離が離れちゃってるみたいなところが特に若い世代にはあると思っていて、“推し活”が1つのみんなのここだけは居場所にしていられるみたいな、本当に若い世代にとっての一番の居場所になっているんじゃないかと思います」

“推し活”は今後、どこまで広がっていくのか。

注目していきたいと思います。
(2024年11月12日 おはよう日本で放送)

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