記者会見する日本郵政の増田寛也社長(14日、東京都千代田区)

日本郵政が14日発表した2024年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比16%増の1394億円だった。日銀の利上げを追い風に金融子会社の資金運用が好調で収益を下支えした。日本郵便は前年同期から赤字幅が広がり、収益をゆうちょ銀行とかんぽ生命保険に頼る構図が続いている。

日本郵政の売上高にあたる経常収益は前年同期比2%減の5兆5119億円、経常利益は38%増の4633億円だった。純利益には米保険大手アフラック・インコーポレーテッドを持ち分法適用会社にしたことによる押し上げ効果もあった。日本郵政は前期比4%増の2800億円という通期の純利益の予想を据え置いた。

日本郵政の収益を押し上げたのはゆうちょ銀とかんぽ生命だ。7月に日銀が追加利上げし「金利のある世界」に戻りつつあるなか、証券運用が好調に推移した。14日には両社そろって25年3月期通期の業績予想も上方修正した。

ゆうちょ銀は外国証券や海外の未公開株の運用が好調で資金利益が増えた。24年4〜9月期の連結決算は純利益が前年同期比22%増の2228億円で増配も決めた。通期予想も連結純利益を従来の3650億円から4000億円に引き上げ、期初の最高益予想からさらに上積みする。

かんぽ生命も証券運用が好調で24年4〜9月期の連結純利益は25%増の628億円だった。これまでは19年の不正契約問題が尾を引き、保険の保有契約件数は低迷していたが、24年1月発売の一時払い終身保険が好調で回復傾向にある。

郵便事業の業績はさえない。日本郵便の24年4〜9月期の連結純損益は683億円の赤字(前年同期は210億円の赤字)だった。はがきなど郵便物の減少が響き赤字幅が拡大した。先行きも不透明だ。10月には30年ぶりに郵便料金を値上げして通期での収益改善を見込む。

日本郵政の増田寛也社長は「郵便の料金値上げの影響がどれほどプラスに効くかが読めない」と話した。

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