静岡県は13日、JR東静岡駅前に移転・新設する県立中央図書館計画で企業の応札がなかったと発表した。今後建設会社などに不参加の理由を聞き取りするほか、電気設備など関連工事の入札を中止する。開業時期は2028年夏からさらに遅れる懸念が出ており、既に引き上げた総工費も上振れる可能性がある。
入札は10月21日から11月12日まで受け付けていた。県新図書館整備課の金嶋克年氏は「大阪万博など大規模工事が多く、さらに働き方改革で業界の人手不足が響いたのかもしれない」と推測する。今週からヒアリングを進めて来週にも要因の分析を始める。
老朽化しており駅からも遠い今の中央図書館を移設する計画は23年7月、日建設計などと基本設計を固めた。駅直結の9階建てで約200万冊を収蔵できるほかデジタル化も進める考えだった。総事業費は192億円としていたが、物価高騰を受けて9月に298億円に引き上げた。
開館時期も後ろ倒しがあり、現時点では2028年夏ごろを目指している。ただ、入札の遅れで総事業費や開業時期もさらに変わる可能性がある。当初は県議会25年2月定例会に工事契約の議案を出して3月に本契約する予定だった。「なるべく開館が延期しないようにしたいが、議会との調整も今後重要になる」(担当者)と話した。
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