ビール大手4社が13日までに発表した10月のビールの販売数量は、前年同月比1%増で4カ月連続でプラスだった。残暑で気温が高い日が続いたほか、インバウンド(訪日外国人)の増加が後押しした。第三のビールは前年同月の増税に伴う需要落ち込みの反動増で、59%増と25カ月ぶりに前年を上回った。
発泡酒や第三のビールを含むビール系飲料は23%増で5カ月ぶりプラスとなった。缶ビールなど家庭向けは26%増で、瓶や樽(たる)などの飲食店向けは14%増だった。
企業別のビール系飲料の販売数量は第三のビールに強いブランドを持つキリンビール(前年同月比36%増)とサントリー(同43%増)が大幅に伸びた。サッポロビールは12%増で、金額ベースのみを公表しているアサヒビールは6%増だった。
ビールの主力ブランドでは明暗が分かれた。キリン「一番搾り」の販売数量は10%増で、サッポロ「黒ラベル」も17%増だった。一方、サントリー「プレミアムモルツ」は3%減、アサヒ「スーパードライ」は7%減だった。
もっとも、若者のアルコール離れもあり、2024年の1〜10月のビール類の販売数量は前年同期比3%減と低調が続く。発泡酒と第三のビールを合わせた「エコノミーカテゴリー」は12%減で、第三のビールの盛り返しは一時的という見方もある。12月には新型コロナウイルス禍明けから2回目となる忘年会シーズンを迎え、各社の販促策にも注目が集まる。
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