コーセーは11日、2024年12月期の連結純利益が前期比31%減の80億円になる見通しだと発表した。従来予想から46億円引き下げた。消費が低迷する中国での店舗閉鎖をはじめとした構造改革費などが響き、増益としていた従来予想を一転減益に下方修正した。
売上高は7%増の3200億円となる見通しで、従来予想を80億円上方修正した。好調な日本や北米などでの事業が押し上げた。
同日発表した24年1〜9月期連結決算は売上高が前年同期比9%増の2387億円で、純利益は28%減の94億円だった。北米を中心に若年層向け化粧品が好調で売上高を押し上げた一方、収益性の高い免税店での化粧品販売を指す「トラベルリテール」や中国国内での事業が減速した。
消費者の節約志向の高まりに加え、現地企業の台頭で価格競争が激化したことが響いた。中国国内の不採算店舗の閉鎖や在庫調整などで、特別損失を45億円計上した。
コーセーは30年に向けた中期経営計画もあわせて発表した。26年1月をめどに純粋持ち株会社制への移行を検討していることを表明した。
計画では全売上高に占める海外の比率を37%(23年)から50%超に引き上げることや収益性の向上も目指す。苦戦する中国とトラベルリテールについては、小林一俊社長は「中国市場への高い依存から、成長領域のグローバルサウス市場へシフトする」と話した。
中国を巡る事業では競合も苦戦が続く。資生堂も7日に中国やトラベルリテールでの販売不振を受けて24年12月期の純利益が7割減になる見通しを発表したばかりだ。
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