「SMBC日興証券」は旧東証1部に上場していた企業を中心に7日までに発表を終えた3月期決算の企業のうち706社の中間決算を分析しました。

それによりますと最終利益の合計は15兆9140億円余りとなり、前の年の同じ時期を7.6%下回りました。

このうち298社が減益、55社は赤字となりました。

中国をはじめとした海外経済の減速や自動車メーカーで認証不正による生産停止があったことで「輸送用機器」や「鉄鋼」などの業種が減益となったほか、7月以降、円相場が円高方向に動いたことも輸出企業の業績に影響しました。

一方、350社は増益となり、コンテナ船の運賃上昇や生成AI向けの半導体需要の拡大を受けて「海運」や「機械」それに「精密機器」などの業種で利益を増やしました。

残る3社は利益が変わりませんでした。

企業業績はこれまで円安などを背景に全体としては前の年を上回る状態が続いていましたが、今後中間決算の発表が進み企業の最終利益の合計が前の年を下回った場合は4年ぶりになります。

今年度後半は円相場の動向のほか、大統領選挙後のアメリカの景気の動向などが業績を左右することになりそうです。

専門家「アメリカ景気の動向に注目」

企業の中間決算について明治安田総合研究所の木村彩月エコノミストは「すごく悪かったということではないが、期待されていた内容には少し届かなかったという印象だ。特に自動車産業では認証不正問題の影響に加え、中国向けのビジネスが不振だったということが業績の足かせになった」と分析しています。

そのうえで、企業業績の先行きについては「大きなポイントとしては海外の景気の動向で、特にアメリカ景気の動向が注目される。大統領選挙で勝利したトランプ氏が公約に掲げた関税や経済対策の行方がアメリカの景気の鍵を握り、それによって日本企業の業績も影響を受けると思う。トランプ氏としては、日本を含む外国からの輸入品に対して関税をかけると公約で掲げているので、そのあたりが日本企業の業績を左右する材料となる」と話していました。

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