AI向けの需要が拡大した(岩手県北上市のキオクシアの工場)

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)が8日発表した2024年4〜9月期連結決算(国際会計基準)は最終損益が1760億円の黒字(前年同期は1891億円の赤字)だった。顧客の在庫整理が進み販売数量と単価がともに上向いた。人工知能(AI)向けの需要も取り込んだ。4〜9月期として最高益を更新した。

売上高にあたる売上収益は前年同期比85%増の9094億円だった。スマートフォンやパソコン向けの需要が回復した。7月から最新型メモリーの生産を始め、膨大なデータ処理が必要なAIデータセンターから引き合いが強まった。営業損益は2919億円の黒字(前年同期は2316億円の赤字)だった。

市況の先行きには不透明感もある。台湾トレンドフォースによると、10〜12月期のNAND型フラッシュメモリー市場全体の販売価格は7〜9月期と比べ3〜8%低下する見込み。デジタル品の需要が伸び悩むほか、海外メーカーが減産幅を縮めていることで値下げ圧力も強まっているという。

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