中古車販売大手ビッグモーターから事業を継承したWECARS(ウィーカーズ、東京・千代田)は8日、凍結していた整備士の採用を再開したと明らかにした。現状の770人から15%多い890人まで増やす。整備士の体制を拡充し、信頼回復を急ぐ。

ビッグモーターから事業を引き継いだウィーカーズ

ウィーカーズは同日、経営再建に向けた改革計画を発表した。1月から新しい人事制度を導入する。給料に占める歩合給の割合を引き下げ、顧客からの評価や職場内の連携度合い、整備技術を加味した報酬制度に改める。

ビッグモーターでは歩合給の割合が高かったため、保険金不正請求など不正行為の温床となっていた。伊藤忠商事グループからの派遣も現状の50人から60人に増やし、監査などの部門を手厚くする。

ビッグモーターは不正行為を受けて経営不振で赤字に陥った。ウィーカーズは再建に向けて黒字化を目指しつつも、当面は社員研修などを通じて社内風土の改革を優先する。利益目標が独り歩きして、現場が再び不正を働かないようにする。

改革計画では信頼回復に向けて顧客本位に立ち返る方針も掲げた。中古車の品質を担保するため、買い取り時だけでなく販売時にも車両状態を確認する。修理整備では作業前後の画像を残すなど顧客が安心できるための工夫をする。

ビッグモーターは5月に会社分割した。中古車売買などの事業を伊藤忠商事や企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が譲り受け、新しく設立したウィーカーズが継承した。

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