4月下旬に柏高島屋ステーションモールに新規出店した格安スーパー「オーケー」(1日、千葉県柏市)

高島屋は百貨店と専門店を併設した柏高島屋ステーションモール(千葉県柏市)を改装した。同店の大規模な改装は2008年の新館開業以来、約15年ぶり。専門店の売り場面積を約1割広げ、格安スーパー「オーケー」などの出店で食品分野を充実させた。駅直結の立地を生かし、乗降客の集客につなげる。

食品や生活雑貨など18店が順次、新規出店している。食品売り場を約3割広げ、4月下旬にはオーケーが柏市内に初出店した。店内には高級スーパー「成城石井」があるが、取扱商品の価格帯が異なることから買い回りが期待できると判断した。期間限定店も増やし、焼き菓子店「オードリー」など人気ブランドを誘致して売り場全体を活気づける。

食品売り場の期間限定店を増やし、人気菓子店などを誘致する(1日、千葉県柏市)

百貨店の婦人服売り場は一部を改装し、専門店の生活雑貨や子ども服などが新規出店した。23年9月にはユニクロが開店した。柏市民らが借りられるスタジオやキッチンなどを上層階に設け、買い物以外の来店機会も増やす。カフェやアート展などでにぎわいを作る空間も新設した。

外商客サロンも約3倍に広げて全面改装した。商品販売やセミナーも実施する。つくばエクスプレス(TX)の開通で柏市や近隣の流山市に子育て世帯が流入しており、高島屋柏店も比較的若い外商客が増えているという。柏店の百貨店売上高は25年2月期に前期比2%増の356億円を見込む。

同店の花谷聡子店長は「新型コロナ禍を経てファッション中心から食品や生活雑貨へと客の需要が変わってきた。高級ブランドも強化していく」と話す。

高島屋柏店の花谷店長㊨と専門店の運営を担う子会社、東神開発千葉事業部長の小沼俊一郎氏(1日、千葉県柏市)

1973年に高島屋柏店、79年に隣接の専門店ビルが開業した。92年の全面改装で現在の柏高島屋ステーションモールが誕生した。近年はTX沿線に商業施設が増えて競争が激しくなっていた。柏駅周辺では16年にそごう柏店が閉店したほか24年10月にはイトーヨーカドー柏店も閉店を予定している。

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