【ニューヨーク=西邨紘子】米ヘルスケア大手CVSヘルスが6日発表した7〜9月期決算は、純利益が8700万ドル(約134億円)だった。前年同期の22億6100万ドルから急減した。売上高は954億2800万ドルで前年同期比6%増えたが、傘下の医療保険エトナで高齢者向け保険の支払負担が膨らみ、利益を押し下げた。12億ドルのリストラ費用の計上も重荷となった。
特殊要因を除いた1株当たりの利益は1.09ドルで、前年同期の2.21ドルと市場の予想(1.51ドル)を共に下回った。
傘下3事業のうち、「薬局」と「ヘルスサービス」の2事業は、部門営業利益(調整後)が前年同期比でそれぞれ15%増、17%増と好調だった。一方で、エトナを含む「ヘルスケアベネフィッツ」は前年同期の黒字から9億2400万ドルの赤字に転じた。
業績立て直しを担い、10月に就任したデビット・ジョイナー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で投資家に対し、医療保険事業の収益悪化は「誤った事業見通しが招いた」と指摘。直近の業績は「到底受け入れられない」と問題を認めた。
CVSは決算発表と併せ、医療保険の米同業大手ユナイテッド・ヘルスケアでCEOを務めた経歴を持つスティーブ・ネルソン氏をエトナの社長に迎える人事を発表した。提供プランの見直しなどを通し、収益性改善を進めるとしている。24年通期の業績見通しは非公開とした。
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