宅配便の値上げも2期ぶりの増益に寄与する(佐川急便のトラック)

佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは30日、2025年3月期の連結純利益が前期比11%増の645億円になる見通しだと発表した。最終増益は2期ぶり。宅配便の値上げや、国際輸送の取り扱いが増えることが寄与する。年間配当は52円と前期から1円増やす。

売上高にあたる営業収益は前期比5%増の1兆3800億円を見込む。主力のデリバリー事業は1兆620億円と3%増える。4月から個人向けの宅配便の基本運賃を平均で約7%値上げし、平均単価は662円と前期から14円(2%)上がる。取扱個数も1%増の13億8000万個と底堅い需要が続きそうだ。

営業利益は8%増の960億円。国際物流などのロジスティクス事業の採算が改善する。同事業の営業損益は30億円の黒字(前期は48億円の赤字)と黒字転換を見込む。アジア地域から欧米への小売り向け物流を手がけるスリランカ子会社、エクスポランカは海上・航空貨物の取扱量が前期から1割ほど増える。

同社はスリランカのコロンボ証券取引所に上場し、現在非上場化の手続きを進めている。同日の決算会見で川中子勝浩取締役は「最適なガバナンス体制の構築やグループ間連携を進めやすくする」と述べた。

併せて発表した24年3月期の連結決算は、営業収益が前の期比8%減の1兆3169億円、純利益は54%減の582億円だった。宅配便の取扱個数が減少した。世界的な金融引き締めなどで国際物流事業も苦戦した。

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