中部鋼鈑は30日、2025年3月期通期の連結純利益が前期比38%減の44億円になる見込みだと発表した。従来予想を17億円下回る。中国の景気減速が響き、厚鋼板(厚板)の主要な供給先である産業機械や建設機械メーカー向けの販売数量が減少する。

売上高は10%減の608億円と従来予想から72億円下振れる。記者会見した重松久美男社長は建材向けの厚板需要について「工事の人手不足や残業規制で中小型物件だけでなく大型物件の需要も弱まっている」と話した。原料の鉄スクラップ価格の下落や競合の値下げを受け、販売価格を下げた影響も出る。

同日発表した24年4〜9月期の連結業績は純利益が前年同期比18%減の25億円、売上高が7%減の305億円だった。

同社は29日、厚板増産のため本社製造所(名古屋市)で行ってきた新電気炉への更新工事を完了した。従来の電気炉より消費電力量を15%削減でき、密閉型のため騒音や粉じんも低減できる。12月の本格稼働を予定する。中期経営計画では、27年3月期に厚板とスラブ(半製品)の年間販売量を、24年3月期から5割増の80万トンに増やす目標を掲げる。

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