厚生労働省が30日発表した2023年度の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍だった。前年より0.02ポイント下がり、3年ぶりに前年を下回った。新型コロナウイルス禍後に増加していた宿泊業・飲食サービス業の求人が減少に転じたことが影響した。原材料高を受けた建設業や製造業でも求人が少なかった。

24年3月の有効求人倍率は1.28倍で、前月に比べて0.02ポイント上がった。16カ月ぶりに改善した。総務省が同日に発表した3月の完全失業率は2.6%で、前月から横ばいだった。

有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す。3月の有効求職者数は前月と比べて1.9%減、有効求人数は0.9%減だった。勤務先の今後の賃上げに期待して転職に慎重な流れが生まれ、求人倍率の上昇につながった。

景気の先行指標とされる新規求人(原数値)は前年同月と比べて7.4%減少した。原材料や光熱費の高騰を背景に製造業は10.8%減、生活関連サービス業・娯楽業は10.5%減となった。

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