三菱電機は24日、画角を従来より2倍以上に拡大した赤外線センサーを開発したと発表した。2025年1月から出荷する。既存品と比べ設置台数や設置費用を抑えられる。介護施設や病院で複数のベッドを同時に監視するなどの用途を想定する。見守り業務の効率化につなげる。
新製品名は「MIR8060C1」。熱画像を不鮮明にする光成分を抑えるレンズを開発し、広画角を実現した。
従来の赤外線センサーは広い空間に設置しても視野が限られて死角が生まれ、結果的に設置台数が増えてしまうことが課題だった。一般的な200坪のオフィスフロアの場合、同社の従来品ではフロア監視に96個のセンサーが必要だが、新製品なら40個で済む。センサーの単価は従来品より数十%高くなるが、設置コストの低減を考慮すると全体では安く済む。
設置に当たっては三菱電機がツール提供などで支援する。人工知能(AI)が赤外線映像からシルエットだけを捉えるためプライバシーが保たれる。転倒などの異常を検知し異常の有無だけを他者に通知するため、導入時の心理的なハードルは低いとみる。
同社半導体・デバイス事業本部の盛田淳氏は「センサーの性能を上げることでデジタル化を促進でき、社会問題の解決にもつながる」と話す。
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