パナソニックホールディングス(HD)は23日、神奈川県藤沢市で進めている街づくりプロジェクト「FujisawaSST」の全街区が開業したと発表した。高齢者向け集合住宅やスポーツ施設が1日に開業し、敷地内の全ての区画で開発を終えた。開発から10周年を迎えた中、今後はドローンを使った居住者の見守りなど、暮らしやすさを追求するソフト面の充実を図る。
パナソニックHDは同様の街づくりプロジェクトを大阪府吹田市や横浜市でも展開している。FujisawaSSTは冷蔵庫やテレビなどの製造拠点だった敷地を再開発し、2014年に街開きしたスマートタウンだ。パナソニックHDが手がける住宅設備や環境・ロボット技術と協賛企業の技術や知見を組み合わせており、高齢者から小さい子どもを持つ家族まで居住者は2000人を超えているという。
敷地内の住居にはパナソニックHDが開発した薄型の太陽電池をベランダ部分に取り付けるなど、環境負荷を抑える技術を盛り込んでいる。荷物を運ぶ手間を減らすため、配送ロボットが街の中を動き回って各家庭に届ける実証実験なども進めている。
パナソニックHDの宮部義幸副社長は「社会問題の解決を目指し、暮らし起点の街づくりを進めてきた。このほど構成する施設がすべて完成し、世界に誇るスマートタウンになった」と指摘。「これからの10年は暮らしにかかわるソフト面でのサービスをさらに充実させるため、産官学民のパートナーとともに挑戦を続けていく」と意気込みを語った。
プロジェクト責任者であるパナソニックオペレーショナルエクセレンスの宮原智彦本部長は「住民の理解の下でパナソニックHDの技術を実際の街で試し、不具合があればすぐに対応できるのが魅力だ。今後は家事や家族イベントなどをサポートする『Yohana』のサービスを組み入れることも検討していきたい」と抱負を述べた。
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