工業用圧力計メーカーの木幡計器製作所(大阪市)と岡田計器製作所(東京・世田谷)は相互の製品販売で提携したと発表した。両社は技術開発力に定評があり、それぞれ遠隔監視センサー、耐振動の圧力計を手がけている。顧客の中心エリアも西日本、東日本と異なるため、補完関係を築けると判断した。
アナログ方式の圧力計の国内生産は年1000万個以上にのぼるが、デジタル化の流れに押されて需要が頭打ちになっている。加えて単価も安いため、メーカー各社の生き残りに向けた危機感は強い。将来の経営統合や出資について、両社のトップは「現段階では考えていない」と話している。
木幡計器は既存の圧力計に後付けして数値を送信できるセンサー「サルタ」を2022年に投入。トヨタ車体、東レなど大手企業に顧客を広げている。一方、岡田計器は歯車のかわりに磁力で指針を動かす独自仕様の圧力計を16年から生産する。強い振動がある場所でも長持ちし、指針のブレが小さいのが強みだ。
木幡計器の木幡巌社長によれば「互いにとんがった(独創的な)製品を手がけているからこそ、ウィンウィンの関係が築ける」。加えて「トップ同士の長いつき合いから信頼関係がある」(岡田計器の岡田延孝会長)という。売上高は木幡計器が3億円(24年11月期見込み)、岡田計器が2億2000万円(25年3月期見込み)。
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