自動車販売の業界団体が1日発表した2024年4〜9月の国内の新車販売台数(軽自動車含む)は前年同期比3%減の216万8000台だった。上期としては22年以来、2年ぶりのマイナスとなった。トヨタ自動車グループでの認証不正問題が響いたほか、新車投入が遅れたことで一時的な買い控えも起きている。
トヨタやダイハツ工業、マツダで量産に必要な「型式指定」を巡る認証不正問題が相次ぎ発覚し、現行車種の生産を止めた。国内新車販売のシェア3割を占めるトヨタ(レクサス除く)の新車販売台数は10%減の67万1000台だった。2年ぶりのマイナスで、減少幅は7万1000台と最も大きかった。
トヨタでは6月に主力の「ヤリスクロス」など計7車種で不正が発覚し、約3カ月生産を止めた。7月には新たにミニバンの「ノア/ヴォクシー」など7車種で不正が判明し、生産ラインを一時休止した。
国土交通省は7月、トヨタに対し組織体制の改善を求める「是正命令」を出した。トヨタでは「クラウン」の新型車の発売を12月以降に延期した。新車投入を待つ一部の消費者の間では買い控えも招いている。高級ブランドのレクサスも5%減の4万5000台と低迷した。
トヨタ完全子会社のダイハツも認証不正に揺れた。販売は24%減の20万台となり、2000年以降で最低となった。減少率は日本の乗用車メーカーで最大だった。
ダイハツ車を巡っては、不正発覚を受けて23年12月に国交省が国内での全車種の出荷停止を指示した。4つある国内の完成車工場が全て再稼働したのは24年5月だった。軽自動車市場ではスズキに抜かれ、足元ではシェア2位に順位を落としている。
ダイハツや日野自動車も含むトヨタグループ全体で見ると、国内の販売シェアは5ポイント減って43%に下がった。
マツダは22%減の6万4000台だった。一部で認証不正の影響を受けたほか、後続モデルの投入が遅れた影響が出た。販売を伸ばしたのはホンダ(29%増)やスズキ(10%増)などで、投入した新車が堅調に伸びている。
4〜9月の国内の新車販売台数の内訳は登録車(排気量660cc超)が2%減の139万6000台、軽自動車は4%減の77万1000台だった。登録車と軽自動車ともに2年ぶりの減少となった。軽自動車の比率は36%で前年同期から横ばいだった。
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