日立造船から社名を変更したカナデビアが1日、新たなスタートを切った。日立製作所とは資本関係がなくなり、造船業からも撤退してごみ焼却施設などが主力となっている。81年ぶりに社名を改め、事業とのかい離を解消するとともに、環境企業への転換をめざす。
「単に会社の名前が変わるだけでなく、私たち自身が変わる決意表明だ。脱炭素・循環型社会への移行に大きく貢献できる企業だと発信していく」。同日、桑原道社長はこうコメントした。大阪市内の本社で新社名を祝うイベントを開き、新たに放映するテレビCMなどを披露したという。
新社名には、企業ブランドとして使っていた「Hitz(ヒッツ)」なども候補に挙がっていた。社名に込める理念や登録済みの商標などを考慮し、カナデビアに決めた。脱炭素技術により人類と自然の調和を「奏でる」ことと、道を意味するラテン語の「ビア」を組み合わせた造語だ。
新社名となる直前の7月、子会社2社で1999年以降に出荷した船舶用エンジンで燃費データの改ざんが発覚した。外部の弁護士による特別調査委員会が原因を究明する調査を継続している。1日付で品質保証統括部を設けるなど再発防止に努めるとしているが、信頼の回復に向けてその取り組みや進捗を詳しく説明する責務がある。
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