住宅ローンのおよそ7割を占めている変動型の住宅ローン金利は、金融機関が企業に短期で貸し出す際の基準金利=「短期プライムレート」に連動する形で見直しが行われます。
30日は大手銀行が来月の住宅ローン金利を発表しました。
このうち新規の借り入れを対象にした変動型で最も優遇する場合の金利でみると、
▽三井住友銀行は9月の0.475%から、10月は0.625%に、
▽三井住友信託銀行も9月の0.33%から、10月は0.48%に。
▽りそな銀行は9月の0.34%から、10月は0.49%にそれぞれ引き上げます。
いずれも引き上げは2007年以来です。
一方、
▽三菱UFJ銀行は0.345%のまま、
▽みずほ銀行は0.375%のままで据え置きます。
すでにローンを借りている人の変動金利は各行とも引き上げ、数か月後の支払いから反映するとしています。
住宅ローンの引き上げは日銀の追加の利上げをきっかけにした動きですが、一方で普通預金の利用者が得られる利息を増やす金融機関も増えていて、金利のある世界で暮らしにさまざまな変化が出ています。
専門家「ネット銀行と競争激化で据え置く銀行も」
住宅ローン比較サイト「モゲチェック」を運営する会社の塩澤崇COOは、住宅ローンの変動金利をめぐり大手銀行の間で対応が分かれたことについて「日銀が利上げ基調なので変動金利は上昇するのが一般的だと思う。ただ、ネット銀行との競争環境が激化していて、あえて金利を据え置く銀行も出てきている。このため日銀が利上げしているが一本調子で変動金利を上げにくくなっている」と述べました。
一方、変動金利の見通しについては「市場では日銀が年末か年始に利上げをするのではないかとみている。それを踏まえると緩やかに変動金利は上昇し、0.75%とか1%近い水準まで上がると思っている」と指摘しました。
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