◆高市氏への期待感で途中まで円安進行だったが…
27日の外国為替市場では、自民党総裁選の結果を受け、対ドルの円相場が短時間で3円ほど動くなど乱高下した。1回目の投票で、日銀の利上げに否定的な高市早苗氏がトップに立つと一時1ドル=146円台まで円安が進んだが、決選投票で石破茂氏の勝利が決まると一転、143円台の円高となった。 27日午後5時時点は1ドル=143円18~21銭。高市氏は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を継承し、金融緩和と大規模な財政支出を主張しており、直近では円安・株高が進んでいた。 一方、石破氏は円安による物価高が家計に打撃を与えているとして、追加利上げの構えを示す日銀の政策には肯定的な考え。午後3時20分過ぎ、石破氏の選出が決まると、わずか1分ほどで3円ほど円高方向に巻き戻した。その後、1ドル=142円台後半まで円は買われた。 石破氏は総裁選期間中、株式の売却益など金融所得への課税強化を訴えており、金融業界関係者からは「株式市場には悪影響」との評価もある。海外の先物市場ではすでに日本株が売られており、週明けの東京市場では日経平均株価が下落する可能性がある。(白山泉) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。