ヤマハ発動機は2025年1月から新しい人事制度を導入する。従来の年功序列を制度上廃止し、各等級にある年数が短くても昇格できるようにする。役割を超えた挑戦を評価し、それに伴い期待される行動や発揮されたパフォーマンスに応じた報酬で処遇する。20代でも管理職に就けるといったチャンスを増やし、人材獲得につなげる。
新人事制度は管理職を除く「一般職」と、60歳定年後に再雇用された「エキスパート職」が対象。一般職向け新制度では、社員の等級がこれまで総合職、業務職、製造職で分かれていたのを1つに統合し4段階の共通体系に改める。等級昇格の申請要件から在級年数を廃し、高い成果が出れば2つ上の等級に昇格できる「飛び級」も導入する。
自律的なキャリア形成を促し、年功序列を脱して若手の早期抜てきを進める狙いがある。ヤマハ発によると管理職昇格は従来早くて30代半ば、平均42歳前後だったのが、大卒入社後20代でも可能になるという。評価では企業目的とする「感動創造」達成へ各等級で定義した発揮すべき行動と業績を総合的にみて、給与や昇格に反映する。
エキスパート職向け新制度では、働き方の選択に応じた役割を与え、それに見合った報酬とする。週4日や週3日といった短日勤務のほか、現役同等の活躍を条件に定年前の報酬水準を維持する働き方などを選べるようにして、シニアにも挑戦を促す。
管理職にあたる「基幹職」の新人事制度については、今年1月に導入済みだ。専門技術や知識を経営戦略に生かす「ストラテジーリード」職を新設するなど、各基幹職の役割を明確化。職制上の役割の大きさに応じて処遇する報酬制度とした。
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