電力機器大手のダイヘンは26日、三菱ふそうトラック・バスなどと組み、商用の電気自動車(EV)向けにワイヤレス給電事業を始めると発表した。全国でまず約10カ所に専用の充電スタンドを設け、配送用のトラックに給電できるようにする。
ワイヤレス給電はケーブルなどを使わずに電力を送る技術。充電スタンドの送電コイルと車両に内蔵した受電コイルとの間で交流磁界と呼ばれる磁場を発生させ電力を送る。
2025年度から大手運輸会社の物流拠点の駐車エリアに給電装置を設ける。三菱ふそうのEVトラックには受電機器を取り付ける。ワイヤレス給電は出力の低さが課題だったが、ダイヘンが開発したスタンドを並列接続して使うと、30キロワットのケーブル式急速充電器と充電時間はそん色がない。
急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」にも対応し、既存のケーブル式スタンドを改造すればワイヤレス給電ができる。送電デバイスが埋め込まれた場所に駐車するだけで充電できるインフラが整えば、運輸業界でEVの普及に弾みがつく可能性がある。
ダイヘンは6月、関西電力など4社とEVワイヤレス給電協議会を設立した。日産自動車やマツダなど現在70社以上が参画している。
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