ダ・ヴィンチ賞のトロフィーを受け取る竹中工務店の竹中統一名誉会長(中央)

創業200年を超える老舗企業でつくる国際団体「エノキアン協会」(本部・パリ)は25日、文化的価値や固有の技術を保持し、革新を通じて次世代につなぐ企業を表彰する「レオナルド・ダ・ヴィンチ賞」を竹中工務店に授与した。竹中統一名誉会長は奈良市であった授賞式で「『最大たるより最良たれ』という精神を伝えていくのが私のつとめ」と述べた。同協会は24〜27日、同市と京都市で総会を開催している。

日本国内での総会開催は2014年の東京に次いで2回目で、海外企業の約40人を含めて約80人が参加。日本文化の体験や企業・寺社見学などを通じて、会員同士が親睦を深めた。25日は、文化庁長官の都倉俊一氏と奈良県出身の映画監督・河瀬直美氏の講演もあった。

高山茶せんづくりの実演を見学するエノキアン協会の会員(奈良市の中川政七商店本店)

中川政七商店(奈良市)と月桂冠(京都市)が今回の総会ホストを務めた。25日は中川政七商店の奈良本店(奈良市)のツアーがあり、参加者は売り場や蔵内部のほか、奈良特産の高山茶せん作りの実演などを見学した。26日は京都で複数の企業見学を予定。月桂冠の大倉泰治常務は、京都・伏見には同社をはじめ老舗企業が多いことを踏まえ「街づくり、酒づくりを一緒に考えてきた歴史も感じてもらいたい」と話す。

エノキアン協会は1981年に設立され、欧州を中心に10カ国の56社が加盟する。日本からは10社が参加。①創業から200年以上の歴史があること②創業者の子孫が現在でも経営者もしくは役員であること③現在でも健全経営を維持していること――などが加入の条件となっている。

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