東京メトロの本社が入るビル=19日、東京都台東区

 東京証券取引所は20日、東京メトロの東証プライム市場への新規上場を承認したと発表した。上場予定日は10月23日。売り出し時の想定価格は1株1100円で、上場時の時価総額が約6400億円規模の大型案件となる見込みだ。国の売却収入は東日本大震災の復興財源に充てることが決まっている。

 東京メトロの株式は現在、国と東京都が全て保有しており、今回はこのうち計50%を売却する。正式な売り出し価格は10月15日に決める。

 東京メトロにとっては、完全民営化に向けた節目となりそうだ。上場決定に合わせて株主優待制度の導入も発表した。現在は鉄道事業が収入の大半を占めるが、地下鉄網を生かした事業の多角化などで消費者の利便性向上につなげられるかが問われる。

 東京メトロは都心を中心に地下鉄9路線を運営する鉄道会社。株式の53.4%を国、46.6%を東京都が保有しており、東京メトロ法の付則は、できる限り速やかに売却すると明記している。

 国と東京都は野村証券やみずほ証券などを主幹事証券会社に選定し、準備を進めていた。

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