浜松ホトニクスは創薬研究を効率化できる細胞解析装置を開発し、受注を始めた。新薬候補の物質の有効性や安全性などを評価し絞り込む「創薬スクリーニング」工程の効率を高める。光学と画像処理を融合した独自の技術を応用し、高速で正確な解析を実現した。がん治療薬などへの活用を見込む。
創薬スクリーニング工程では「3次元細胞集団」と呼ばれる生体に近い状態の立体的に培養された細胞を用いることが近年増えている。新たな解析装置はこうした細胞の3次元蛍光画像の取得、大きさや形、数、状態などの解析にかかる時間を大幅に短縮できる。
従来装置は画像取得や解析に少なくとも数時間かかるが、新装置は高速画像取得に加え解析との並行処理により最短で21分で結果が出るという。独自の測定技術でカメラとサンプルの移動動作やハードウエアとソフトウエアの画像処理を最適化した。
10日から国内外の製薬会社や研究機関からの受注を始めた。19〜21日に福岡国際会議場・福岡マリンメッセ(福岡市)で開かれる日本癌学会学術総会にも出展する。
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