左から4番目にある新製品は目で見えにくいほどの小ささだ

村田製作所は19日、世界最小の積層セラミックコンデンサー(MLCC)を開発したと発表した。長辺が0.16ミリメートル、短辺が0.08ミリメートルの「016008」サイズで、現在最小の製品と比べて体積は4分の1ほどになる。新世代の小型品の投入は約10年ぶり。2025年3月期末にサンプル出荷を始め、AI(人工知能)対応などで高機能化するスマートフォンやウエアラブル機器などへの採用を働きかける。

MLCCは電子機器の回路上で電気の流れを整える微小な電子部品だ。スマホ1台に1000個ほど使われている。小型化すると電子基板上に載せやすくなり、機器の小型化や高機能化に役立つ。スマホの新機種に生成AIサービスが盛り込まれるなど高性能化が進んでいることに対応する。

これまでは長辺0.25ミリメートル、短辺0.125ミリメートルの直方体状の「0201」サイズが最小だった。材料や積層技術などを新たに開発し、約10年ぶりに世界最小を更新する。村田製はMLCCで約4割の世界シェアを持つ最大手で、新世代の小型品でもライバルメーカーに先行したい考えだ。

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