米国で開催された国際会議「ガステック2024」で液化CO2輸送船のAiPが授与された

造船大手の今治造船とジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)が共同出資する日本シップヤード(東京・千代田)は18日、開発中の液化二酸化炭素(CO2)輸送船について、日本海事協会(同)などから設計に関する基本承認(AiP)を取得したと発表した。第三者機関に設計の安全性が認められたことで、大型の輸送船の早期市場投入を目指す。

日本シップヤードはこれまで三菱造船(東京・港)や三井物産、三菱商事と共同で液化CO2輸送船の標準化などに取り組んできた。日本郵船や川崎汽船、商船三井も加わり28年以降の海上輸送を目指す。CO2を回収して地下深くに埋める「CCS」を手掛ける各社のプロジェクトを横断して船を標準化することでコストダウンや安定した船の供給が見込める。

このほど、アメリカ船級協会(ABS)と日本海事協会からAiPを取得した。対象はタンクの容量が5万立方メートル級および2万3000立方メートル級の2船型。国際間の長距離大量輸送を見据えた大型の船だ。

貨物タンクの鋼材として従来のニッケル鋼に代わる鋼材を適用する。製造のボトルネックとなる溶接後の工程をエンジニアリング技術によって省略できる。

CCSの推進に向け海上輸送の手段として液化CO2輸送船の需要拡大が見込まれる。日本はCO2貯留に適した場所が少なく、海外など遠い場所への輸送手段を確保できるかが課題だ。

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