風力を推進力に変える帆を初めてLNG船に設置する(完成後のイメージ)

商船三井は13日、米石油大手シェブロン向けの新しい液化天然ガス(LNG)運搬船に、風力を船の推進力にする装置を導入すると発表した。シェブロングループの海運会社に長期間貸し出す船に風を受け止めて推進力に変える大型の帆を2基設置する。

韓国の造船大手、ハンファオーシャンが建造し2026年の完成を目指す。船の全長は約286メートルで全幅が約46メートル、貨物槽の容積は約17万4千立方メートルある大型船だ。

ここに商船三井が「ウインドチャレンジャー」と呼ぶガラス繊維強化樹脂でできた高さ約49メートルの帆を2基取り付ける。既存のウインドチャレンジャー設置船では燃料使用量や二酸化炭素(CO2)排出量を7〜16%削減した実績がある。

商船三井によると、LNG運搬船に風力推進装置を設置するのは世界初という。LNG運搬船は危険物を運んでいるほか、船の甲板にLNGタンクがある形状などから帆の設置は難しいとみられていた。

現在、商船三井はウインドチャレンジャーを設置した船を2隻運航している。35年までに80隻に増やす計画だ。

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