会計処理問題で提出を延期していた1〜6月期の連結決算を発表した

ENECHANGE(エネチェンジ)は13日、電気自動車(EV)充電事業の会計処理問題の影響で提出を延期していた2024年1〜6月期の連結決算を発表した。最終損益は17億円の赤字で前年同期(12億円の赤字)から膨らんだ。会計処理問題を受けてEV充電設備の特別目的会社(SPC)を連結対象に含めたことに伴う特別損失などが響いた。

特別損失は約9億円だった。SPC連結を受けてEV充電事業の固定資産を減損したことで4〜6月期で約4億円を計上したほか、追加の監査費用の1億7000万円なども計上した。

売上高は前年同期比33%増の27億円、営業損益は14億円の赤字(前年同期は11億円の赤字)だった。電力・ガス料金の比較サイト事業などが好調だった一方、EV充電器の設置拡大に向けた人件費や広告宣伝費などがかさんだ。

純資産は6月末時点で8億円だった。同社はSPCの連結で23年12月末時点で14億円の債務超過に陥った。産業革新投資機構(JIC)から約40億円の出資を受けて3月末時点は21億円のプラスになっていたが、足元の赤字で減少した。

決算期の変更を受けて今期は25年3月までの15カ月の変則決算となる。25年3月期の売上高は23年12月期比で48%増の65億円を見込む。各種の損益は未定としており、26年3月期の黒字化を目指して主力事業を拡大させるという。

エネチェンジの会計処理問題は3月に発覚した。会計監査人だったあずさ監査法人は経営陣の会計不正を指摘したが、外部調査委員会では認められなかった。あずさは24年1〜3月期決算のレビューを最後に辞任した。会計監査人が監査法人アヴァンティア(東京・千代田)に引き継がれてからの決算発表は今回が初めてとなる。

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