自見英子(はなこ)地方創生相は3日の閣議後会見で、結婚をきっかけに地方へ移住する女性に対する支援金制度の新設をめぐり、「女性だけに支援金を支給する政策は検討していない」と述べた。だが、内閣府の公表資料には具体案が載っており、自見氏は8月30日の会見で事実上の撤回を表明したばかり。政策の決定過程が改めて問われそうだ。
会見で自見氏は、記者から重ねて「女性に限定した移住支援策はそもそも頭になかったということか」と問われ「全くありません」と答えた。「事務局には対外的な説明について注意をした」とも述べた。
新制度は、内閣府が8月末に提出した来年度予算の概算要求に盛り込まれた。概算要求は、各省庁が関連予算を財務省に要望し、年末にかけて議論をして決定する。公表資料には、従来の移住支援策を拡充する形で、「結婚を契機とした女性の移住に対する支援」と明記されていた。担当者は、女性の都市部への転入超過が続き、地方で若い未婚男性の数が女性より多い不均衡を是正するため、「女性の地方への移動を後押しする」とねらいを説明していた。自見氏の発言は、こうした経緯を否定するものだ。
この制度をめぐっては、ネットを中心に批判が相次ぎ、自見氏みずから再検討を指示していた。(岡林佐和)
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