鷲頭副知事(右奥)に使用済み燃料搬出計画の見直しを報告する水田本部長㊧(30日、福井市)

青森県六ケ所村で建設中の使用済み核燃料再処理工場の完成延期を受けて関西電力は30日、福井県に対し県内原子力発電所の使用済み燃料搬出に向けた工程表を見直すと報告した。関電の水田仁原子力事業本部長は同日に県庁を訪れて鷲頭美央副知事と面談し、「計画通り搬出できなかったことは申し訳ない」と述べた。

関電は福井県で高浜原発など計7基の原発を稼働させているが、使用済み燃料が蓄積しており県外への搬出実現が課題となっていた。同社は再処理工場が24年度上期に完成する見通しで搬出へのロードマップを策定し県に説明していたが、前提が崩れて計画の見直しを迫られた形だ。

関電はこれまでも県に提示した搬出時期の約束を果たせず、複数回にわたり延期した経緯がある。鷲頭副知事は水田本部長の報告に対し「搬出が計画通り進まないという報告は極めて遺憾。昨年の工程表を策定する前の段階に立ち返り、不退転の覚悟を示すべきだ」と返答した。

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