パナソニックとヤンマーホールディングス(HD)は30日、ガス空調の開発と製造を手掛ける共同出資会社を2025年4月に設立すると発表した。26年に共同開発したガス空調を発売し、将来は全ての製品を共通化する見通し。国内のガス空調市場でそれぞれ3割弱のシェアを持つ2社が組み、開発期間の短縮や物流の効率化につなげる。
パナソニックの親会社であるパナソニックHDが51%、ヤンマーHD傘下のヤンマーエネルギーシステムが49%を新会社に出資する。両社のガス空調の開発・製造部門を切り出して統合する。販売とサービス部門は両社に残し、ブランドも販売元に応じて使い分ける。
まずは生産面の相乗効果を見込む。パナソニックの群馬県の工場でヤンマー製品を生産したり、ヤンマーエネルギーの岡山県の工場でパナソニック製品を手掛けたりする。顧客に近い工場でつくることで、物流費を2割削減する。
ガス空調に使われる部品のうち、パナソニックは冷媒用の回路と制御基板、ヤンマーはガスエンジンを内製する。両社の得意分野が異なり、生産と開発の両面で相乗効果が期待できるとして共同出資会社を設立する。
パナソニック傘下の空質空調社の片山栄一社長は30日の記者会見で「企業の壁を越えてガスエネルギーの有効活用を進める」と話した。パナソニックによると、ガス空調は病院や学校などで使われることが多く、国内市場は推定約600億円。
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