<じっくりトーク>
 ホテル椿山荘東京やワシントンホテルなどを展開する藤田観光(文京区)は、コロナ禍の改革が奏功し、インバウンド(訪日客)の増加で業績が急回復している。3月に就任した山下信典(しんすけ)社長(61)は「2028年までの中期経営計画の収益拡大フェーズを前倒したい」と力を込める。(市川千晴)

不易流行を意識し企業価値を高めたいと語る山下信典社長=文京区で

◆人生のさまざまな節目で必要とされるサービスを

 コロナ禍では一時休業を余儀なくされたが、大阪の太閤園売却による財務体質強化と、椿山荘のブランド力向上や箱根ホテル小涌園の開業などによる事業強化を推進。2024年1~6月期の連結決算は、前年同期比で売上高23%増、純利益30%増となった。  椿山荘で始めた庭園を霧で覆う演出「東京雲海」は、国内外の賞を受けた。グループ全体で、文化財を活用した環境と施設、料理とサービスの提供を重視。特に季節感ある料理の提供とサービスの品質向上に力を入れている。  それを支えるのはお客さまを大切にする心だ。正社員区分に新たなエリア職コースを導入し、賃上げや時短勤務の拡充など雇用条件の改善も柱に据える。  既存の事業価値を高め、新規事業に挑戦することで、お客さまの人生のさまざまな節目で必要とされるサービスを提供し続けたい。

オフショット 家族との食事や旅行が一番の息抜きです。息子夫婦と富士山を眺めながらグランピングを楽しみました。




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