新型コロナウイルスの5類移行後、活況にわく北海道の観光業界。2023年の道内宿泊者数は過去最多の延べ3963万人となり、北海道の集客力に目を付けた外資系ホテルは札幌市内を中心に進出計画を相次いで打ち出しています。一方、北海道新幹線の高速化など課題も山積しています。北海道観光の今がわかる記事をまとめました。
ホテルに道路、受け入れ体制整備続々
7月には札幌の繁華街・すすきのの南側、中島公園エリアで米マリオット・インターナショナル系の「コートヤード・バイ・マリオット札幌」が開業するなど、「外資系ホテルの空白地帯」ともいわれた札幌市中心部では高級ホテルの進出が相次いでいます。29年には市中心部に「パークハイアット」も開業予定です。
「第2のニセコ」とも評される富良野市には、札幌市からの陸路でのアクセスを改善する幹線道路が26日に開通します。道内の航空路線の拠点となっている札幌丘珠空港(札幌市)も機能拡充が進みます。
- ・「外資の空白地帯」札幌に高級ホテル集積 マリオット開業
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- ・札幌市内に海外ビジネスジェット直行 27年までに実証
航空、新幹線、バス……アクセスに依然難あり
道外と道路でつながっていない北海道。観光客の呼び込みには空路や鉄路の充実が欠かせません。ただ、道内では航空燃料不足で国際線の増便が思うように進まない現状があります。北海道民の海外旅行意欲の低迷も隠れた課題です。
札幌延伸開業が計画の30年度末から遅れる見込みの北海道新幹線は、青函トンネル区間の高速化が進まず、利用拡大のネックの一つとなっています。道内は鉄路が充実しておらず、スムーズな周遊観光にはバスが欠かせませんが、ここには運転手の労働規制が強化される「2024年問題」の影が忍び寄ります。
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新税導入に企業間連携も、課題解決へ一歩
観光需要の深耕に向けた官民の取り組みは始まっています。道内では10以上の自治体が今後宿泊税を導入し、観光振興策の財源とする見込みです。オーバーツーリズム(観光公害)に苦しむ地域では、新税導入が対策の実施に向けた一歩にもなり得るでしょう。
周遊観光の利便性向上に向け、道東部のバス業界では複数の事業者の商品を一括で予約・決済できるシステムの運用が始まります。新千歳空港では運営する北海道エアポート(北海道千歳市)が「身銭」を切って航空燃料不足を乗り越えようとしています。
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