同省によると、朝のラッシュピーク時における平均混雑率は東京圏136%(前年度より13ポイント増)、大阪圏115%(同6ポイント増)、名古屋圏123%(同5ポイント増)だった。コロナ禍で大きく低下した後、22年度から2年連続での大幅上昇となった。

下の図は、東京圏(主要31区間)の混雑率と輸送力の推移を示すグラフ。コロナ禍前の160%台には達しないものの、一時よりはかなり混雑度が増している。

136%の混雑率というのは、定員乗車(座席につくか、つり革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる状態)の約4割増しで、隣の乗客と肩がふれあうことはない水準だ。

下表に、三大都市圏で朝のラッシュがひどかった主な区間と、その混雑率の推移をまとめた。

主な混雑区間のラッシュ時混雑率の変化

東京圏

  2019年度 2023年度
木場>門前仲町(東京メトロ東西線) 199 148
武蔵小杉>西大井(JR東・横須賀線) 195 134
錦糸町>両国(JR東・総武線) 194 141
池尻大橋>渋谷(東急田園都市線) 183 130
下落合>高田馬場(西武新宿線) 164 142

大阪圏

  2019年度 2023年度
神崎川>十三(阪急神戸線) 149 143
梅田>淀屋橋(地下鉄御堂筋線) 148 132
三国>十三(阪急宝塚線) 146 126

名古屋圏

  2019年度 2023年度
神宮前>金山(名鉄本線(東)) 149 140
栄生>名鉄名古屋(名鉄本線(西)) 147 138

国土交通省まとめ

東京圏ではコロナ禍以前、混雑率200%(体が触れ合い相当圧迫感がある。ドア付近の人は身動きが取れない水準)に近い路線もあったが、23年度は大半の路線が150%以下にとどまっている。

公表データで混雑率のワースト1位は日暮里・舎人ライナー(東京都新交通システム)の赤土小学校前~西日暮里間で171%(前年度比16ポイント増)。設備の制約などで輸送量増強が難しい路線では、混雑率が高止まりするケースもある。

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