13日から当面運休するJR九州高速船の「クイーンビートル」

JR九州子会社のJR九州高速船(福岡市)は9日、博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」を13日から当面運休すると発表した。船体内への浸水にかかわるデータの改ざんや浸水センサーの設置場所に関する不正が発覚した。

不正の発覚を受けてJR九州は13日、JR九州高速船の田中渉社長が同日付で取締役に降格する人事を発表した。事実上の更迭とみられる。新社長にはグループ会社のJR九州エンジニアリングの大羽健司経営企画部長が就任する。

不正は国土交通省が6日にJR九州高速船への監査を実施したことを受け、同社に対してJR九州が聞き取り調査をしたところ判明した。遅くとも2月以降、こうした改ざんや不正が常態化していたとみられる。

同社は2023年2月に亀裂による浸水が確認されたにもかかわらず必要な検査をせずに運航を続けたとして、同年6月に国土交通省から行政処分となる「輸送の安全確保に関する命令」を受けていた。

24年5月には船体の一部にひび割れが見つかり、一時運休。7月の運航再開後も別の場所に損傷が確認されるなどトラブルが相次いでいた。

大羽氏は1991年(平3年)九州大工卒、JR九州に入社。鉄道事業本部安全創造部次長や博多車掌区長などを歴任し、2023年からJR九州エンジニアリングに出向していた。

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